結婚相談所物語

もう決まっているのね PART1

何気なく言った言葉でした。


いえ、本当は、


突然の娘の告白に喜びと驚きがないまぜになり、


どう応えるべきか一瞬うろたえたと思います。


でも真剣な娘の眼差しを見ている内に


心がすうっと芯に向かって収束していくような気がして、


次の瞬間には自分でも驚くほど自然に


言葉が口を突いて出ていました。


あの時あの私の言葉を聞いた娘の表情といったら!


ああ、間違ったことは言わなかった、


とホッと安堵したものでございます。


お恥ずかしい話ですが、


娘が内緒で結婚相談所に入っていることを、


この時初めて知らされたのですが、


「貴女が私に打ち明けてくれるということは、


もう心が決まっているのね。


貴女が選んだのだからきっといい人なのね。」


私が申し上げたのはこれだけ、たったこれだけのことでした。




2人兄妹の妹で性格はいたってのんびり、


親の口から申すのもなんですが、


幼い頃からあまり手のかからない極々普通の娘でした。


私も夫もとりたてて娘に


何かを強いるという事はなかったように思います。


それはとりもなおさず、


娘が何事も自分なりに決めて進んできたということなのでしょう。


ただ適齢期を迎え・・・


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子