結婚相談所物語

魔法の杖

会員様の希望を叶えること、


これは私たちアドバイザーにとって至上命令です。


でも"希望"と言ってもそれは絶対なのか単なる期待なのか、


思惑なのか純なものなのか、


判断はとても難しいものです。


ともすれば結局何も叶えられなかったということにもなりかねません。


私たちは何を叶えてあげられるのか、


日々考えさせられるところであります。




お医者さんとの結婚...。


社会的に認められて経済的にも不自由なく...


そんな思いの方も多いでしょう。


「希望はお医者さん」私たちもよく求められます。


しかし紹介するだけなら簡単ですが、


結婚のお世話となると並大抵のことではありません。


医者の職業は大変ですし環境もやはり特殊です。


お世話には困難を極めます。


だからまず私は、


この人の望みは叶えてあげられることなのかしら?


と考えてしまいます。


だけど本当にその望みが純真なもので、


そして本人が真剣であれば・・・


実際のところ本人の思いの明確さと強さ、


これがお世話する上では何よりの原動力になるのです。




医者になりたくて、でも叶わず薬剤師になったという女性が


医者との結婚を望んで来られました。


医者を専門に紹介するパーティにも参加しお付き合いはしたそうです。


でも1年を過ぎて、


単なる遊び相手として扱われていたと知っただけでした。


30歳台半ばの女性が医者との結婚を望む、


果たして叶えられるのか?


しかし彼女は、


医療に関わっていたいという意思が明確でした。


医者を伴侶に持つことの意味を、


憧れだけでなく覚悟を持って理解していました。


自分磨きにも努力していました。


それならば、


と一つ年下の開業医の跡取りとなる男性を紹介したのです。


当人たちはすぐに意気投合。


彼女の年齢に難色を示していた彼の母親も、


彼女の聡明さと真摯さにわだかまりを解き、


円満な結末となりました。




またある時、


女医さんが来られました。


医者紹介専門の結婚相談所を行脚した挙句の入会です。


一人の女性として結婚したいという気持ちは純粋です。


ですが一般の人とのお見合いはなかなか成立しなかったとか。


医者であるが故に望まれる男性に比べ、


女性は医者という職業故に敬遠されがちなのは否めません。


そのことを身に沁みている彼女は


同業者との結婚を望んだのです。


が、それも難しかったようです。


医者との結婚を希望する女医さん...


正直なところ頭を抱えんばかりの難題です。


やがて彼女の目に一人の男性医師が目にとまりました。


「この方、前の相談所で申し込みましたがお断りされた方です。


でもやっぱり会いたい。何とかならないでしょうか?」


医者である前に女性として魅力溢れる彼女です。


私は、彼女のその女性としての魅力を精一杯彼に紹介しました。


そしてお見合いの快諾を受けたのです。


彼自身、申し込みされたことや断ったという認識はないとのこと。


何はともあれ今はお似合いの二人、


順調にお付き合いが続いていることは嬉しい事実です。




杖を一振り、すると願いが叶う。


でも魔法使いのおばあさんに杖を振るわせるのは、


願う人の真剣な思いですよね。


魔法の杖は、結婚を願う人の思いの中にあるのかもしれません。


私たちのお世話も、会員様の希望を叶える杖の一振りになれば、


といつも願っています。


本当に魔法の杖があったならと思いつつ、


至上命令遂行のため、今日もお世話を一振り。


大阪(事務局) マリッジコンサルタント 山名

私のときめき~PART3

前の時以上にせっせとケーキを口に運びながら、


デートの度に気合いを入れて行ったけど、


お互いのちょっとした綻びからときめきが一気に薄れ、


そうなるともう相手も相手を想う自分の気持ちも


陳腐なものに思えて一緒にいられなくなってしまった、


と要するに彼氏と別れたことがやっぱりよく動く口から発せられた。


結局友人のは一気に駆け登り


そして駆け下りた山のようだったなと思いながら、


私のは?とまた考えた。


こんな私を待ってくれている彼。


ときめきよりも安らぎを感じさせてくれる彼。


私はじわじわと登っている気がする。


そうだ、


きっとそうだ、


息切れしないようにゆっくり登って


そして決して下ることはないだろう。


結婚ってそういうことでいいんじゃない?


それでいいんじゃない?




「結婚します」とアドバイザーにメールした。


きっと驚くだろうなと思ったが、


「そうでしょう、それがいいと思います」と返信が来た。


なんだ、見透かされていたのか。


知らぬは渦中の自分ばかり。


彼と初めて会ったのは春だったからほぼ一年、


やっとの決断だった。


でも着物を着て一緒に初詣に行くのには間に合った。


来年は彼の浴衣も作ってあげよう。


その時私の左手の薬指にはリングがしっくりとおさまっているかしら。


そう思うと胸のあたりがポッと温まった。


あれ、これはもしかしたらときめき?


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大阪(事務局) マリッジコンサルタント 山名

私のときめき~PART2

元来私はのんびり屋である。


だから面倒だからと敬遠される着物を着て外出するのが好きだ。


着る時のゆったりした時間がいい。


そして急かされるのは苦手。


だけど気をつけなければ優柔不断とも受け取られる。


実際、客観的に見ればやっぱり優柔不断なのかもしれないけれど。


結婚相談所は単なる遊び相手を紹介するところではない。


それは分かっている。


だけど、では彼とは今後どうする?と聞かれて返答に詰まる。


一緒にいて楽しくて、楽なこと以外、


何を求めるのかしら?と尋ねられて益々絶句する。


確かにその通り...なのだけど。


待ちくたびれたアドバイザーが、


あまりおすすめできないことだけど...、


と心細げに言った。


他の方にも会ってみますか?


それでも彼の方がいいと思えば決められるでしょう?と提案してくれた。


だけどそれも違う。


物色したい気持ちでもない。


そう、当たり前のことだけど、


結婚を決める経験をしたことがないから、


今直面している状況に狼狽えて


自分の気持ちがよくわからないのだ。




そんなことで彼にもアドバイザーにも


随分大目に見てもらった。


しかしいよいよ出会いから一年近くという頃、


一年経っても決められなかったらもうお断りしましょうね、


とアドバイザーにやんわり引導を渡された。


どうしようと思い悩んでいる頃、


友人にまた呼び出された。


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大阪(事務局) マリッジコンサルタント 山名