結婚相談所物語

年度替わりの頃

年度替わりの頃、街は希望に溢れ、


それぞれの門出を祝う、


華やいだ人々で溢れている。


私にもあったあの眩しく輝いていたあの頃が...。


でも近頃なぜか心が晴れない。


押し寄せる孤独感---。



ずっと独身だと寂しくないですか?


よく聞く言葉。



寂しさかぁ~、確かに寂しさはある。


独身だから寂しいというよりは、


関係なく、近頃なぜか寂しい。



特に年度替わりは


新入社員のはつらつさがとても眩しい。


それだけ年令を重ねたということなのか。


あの頃は今まで一人でいるなんて想像もしていなかった。


今頃はちゃんとお母さんをしていると思っていた。


私は今まで何をしてきたの?


私は今まで何を求めてここまで来たの?



社会人になってから笑う回数が極端に減った。と、


この頃つくづく感じる。


心から笑えなくなり、


世渡りがうまくなってきた頃から、


どこか心の中に空虚感が生まれるようになった。


独身だと寂しくないですか?


と再度問うてみた。


逆に独身でなかったら...。


つまりは結婚したら寂しくないのかと言えば...。



ただ、結婚しても寂しい人はいる。


家庭の中でも孤立している人はいる。


などと、結婚を否定的に考えてはみても、


結婚によって家族との関わりは生じるわけで、


それらは寂しさを忘れさせてくれるのではないかと思うようになった。



つまり、歳とともに、一番の孤独は


他人との繋がりがない生活じゃないかと思うようになった。



今の私は仕事だけ。


仕事は成功した、達成した。


欲しかった役職も手に入れた。


でも、これから先、どうなるの?


この寂しさからは、いつ解放されるの?


だから、婚活を始めた。


とても遅いスタートだった。


もっと早く気づけばよかった。


結婚したいとは切実には思わないけど、


今のままじゃ嫌だと思う。


ただ、結婚は寂しさでするものではなく、


愛情でするものではないかってアドバイスされたこともあった。


そうありたいと今まで願ってきた。



でも、実際のところ、愛情よりも、


寂しさから結婚している人もいるんじゃないのかなって。


近頃思えるようになってきた。


それでもいいんじゃないかなって。


そう思うようになってきた。


彼にときめくような感情はない。


でも一緒にいてイヤではない。


二人でいると、寂しさが薄らぐ。


こんな結婚っていけないですか?



私、決めました。結婚します!!


きらきらとした輝きはなくなったかもしれないけれど、


女性としての人生も歩みます。



私、37才 国立大学卒 公務員。仕事は続けます。


彼、40才 国立大学卒 会社員。料理が得意で、真面目で誠実な男性。


神戸オフィスアドバイザー 福田

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愛のかたち

何が不足ということではない


むしろそんなもったいないこと、


なんて言われなくても分かっている


彼を紹介されたとき、


ああ目の涼やかな素敵な人、と思ったわ


平凡な私に充分な人、


と本当にそう思っている


だけど・・・


決めきれない、


心が定まらない自分がいる・・・


なぜ?


・・・私は何を求めているのかしら?


え?


・・・私は何かを求めている?



隣の若いカップルは


可愛らしく手を繋いで本当に微笑ましい


あのお似合いの二人は


やっぱり気のきいた言葉で愛をささやくのかしら?


むこうのご夫婦は


もはや阿吽の呼吸という感じ・・・



余り女性が周りにいなかったから


どう付き合ったらいいのかわからない


彼はそう言う


言葉下手、


だから気のきいた言葉をかけてくれないの?


愛情表現が苦手、


だから手を繋いで歩いてくれないの?


だけどこれからの二人のことを考えてくれている


それであとは私がどうすればいいのかしら・・・



出たばかりの電車を目で追って次の電車を待つ間、


駅のホームでぼんやりといつもの問答を繰り返す。


今改札で別れたばかりの彼のこと。


私は恋の形に溺れているのかとふと思う。


でも仕方がないじゃない女なんだから、


と自分を慰める。


と、その時だ!


私は何気なく改札口を振り向いた。


あれは・・・もしかして・・・彼?


もうとっくに帰ったと思っていたのに・・・


改札口に彼がいる。


私の好きな目でじっとこちらを見つめている。


私は一番前に並んでいた列を離れ、


最後に電車に乗り込んだ。


閉まるドアに張り付いて彼を追う。


見送ってくれている彼と私。


電車が加速する。


目の端に踵を返す彼がいた。


その瞬間私は気が付いた。


ああ、寡黙な彼はいつも雄弁な目で語ってくれていた。


私だけに向けられるあの目で。



私たちの愛の形はこれだった


だから今決める、私は決める


私、彼と結婚します


大阪(事務局) マリッジコンサルタント 山名