結婚相談所物語

誤 算(後編)

世代が同じだから自然に話せるからなのか?


キラキラ感はない代わりにこちらも身構えなくていいからなのか?


しばらく付き合うことにした。


そんな気になった女性は初めてだ。


付き合ってみるとやっぱり楽だ。


そうこうしているうちに週末は大抵彼女と会うようになった。


日曜日も解禁になったのね、


と担当者は笑いながら言った。


そうか、


こうやって結婚相手に辿り着くもんなんだ。


そして彼女を紹介された時から僕の心は


とうにお見通しだったということなんだ。


なんだか不思議な気がした。



担当者は、でも誤算だったわ、と言った。


あなたのような男性はまず若い人を望むのよ、


だって条件いいから充分お会いできる。


でもあなたはそうじゃなかった、誤算だったわ。


相手の彼女はね、求める条件が厳しくて、


他でいろいろと十年も婚活してきたそうよ。


それがここであなたに会えたでしょ。


本当に二人ともタイミングよかったのかしら?


それとも私のサポート?(笑)




ところで一番喜んだのはお袋かもしれない。


僕に嫁さんが見つかる、僕は家を出る、のんびり悠々自適。


とまあこういうことで、とにかくよかった。


親孝行になったなら、それは本当によかった。


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大阪(事務局) マリッジコンサルタント 山名

誤 算(中編)

だけどそれは本当だった。


お相手選びとやらはよくわからないのですべて担当者に任せた。


僕はいついつどこへと言われた通りに行くだけだ。


すると若くて綺麗な女性に会える。


女性は嬉しそうな表情を僕に向けてくれる。


仕事先の女性なんか微笑んでくれるのは


受付嬢ぐらいなもんだから新鮮でいい。


しかし、疲れた。


一生懸命共通の話題を探して慣れない会話をしているからなのか。


綺麗どころがあまりにも眩しくて柄にもなく緊張するからなのか。


とにかく日曜日なんぞにこれがあると


言いようのない疲労感を翌日まで引きずるのだから情けなくなる。


でも仕方がない。


それでお見合いは土曜日にしてください、


と担当者に頼んだ。




「あなたと一つしか違わないからそこそこの年齢の女性だけど、


どうしても会わせて欲しいって言うから。いい?」


ある日担当者に尋ねられた。


土曜日ならいい、


と答えて先方の写真を見る。


あ、なるほど今度は普通。


キラキラ輝いた特別の美人でもない。


僕も随分お見合いに慣れたのかも。


なんて思いながら会ってみると、


見た目の普通以上に会話も普通。


だから疲れなかった。


あれ?


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大阪(事務局) マリッジコンサルタント 山名

誤 算(前編)

設計の仕事を任されて真面目にやってきた。


たまの休みは海外旅行などして気ままに遊ぶ。


だけどあと数年すれば不惑を迎えるという歳になってふと思った。


このままでいいのだろうか。


親父もリタイアしたことだし


この先はお袋とのんびり年金暮らしを楽しみたいだろう。


そろそろ僕も家を出た方がいいんじゃないか?


兄夫婦も近くに居ることだし老夫婦二人っきりの方が


ゆっくり出来るんじゃないか?一人暮らしを始めるか。


うんまあ気楽でいいかも。




家を出ようと思ってる、


とお袋に話すと、


誰かいい人がいるの?と気色ばんで喜んだ。


あ、やっぱり。


黙っているけど僕のこと心配してるんだ。


これは独り身で出ていくのは余計に心配かけるな、


と思った。


僕は別に独身主義者ではない。


ただこれまでそういうことがなかっただけだ。


そうだな。


ちょっと考えてみるか。


というわけで同僚から聞いていた結婚相手紹介所を訪ねることにした。


こういうところは初めてだ。


とりあえずしばらくやってみよう。


言われるがままに自分の経歴などを書き込んだ。


それを覗き込んだ若いアドバイザーが、


素晴らしい条件ね、


たくさんお会いできるわよ、


と言ってくれた。


本当か?


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大阪(事務局) マリッジコンサルタント 山名

結婚相談所物語、内容紹介 結婚相談所物語、内容紹介
婚活(こんかつ)から成婚までの考え方やアドバイス、大阪、京都、神戸、と関西に支社を持つ当相談所内で起こった出来事など、様々な物語を綴っています。
※婚活・成婚エピソードは実際の出来事を元にしていますが、記載されているお名前などは全て仮名です。