結婚相談所物語

子育ての仕上げ 後編

この年収。お医者さん並みでしょ?


彼は薬剤師のかたわら不動産経営を始めて、


もちろん最初は父親から反対されたそうですが、


でも地道に収益を上げて今やご覧の通りの安定高収入です。


彼には医者ではなく経営者としての才覚がある様ですね。


親の田畑でではなく自分で耕した田畑で食べていく、


なかなかいませんよ、こんな男性。


もちろん、


今はお父さんとの関係も良好ですけどね」


そして付け加えてこう言った。


「お付き合い上手で空気も読めるし商才もある。


医者にしておくにはもったいない、


とそう思いませんか?お母さん」


落ち着いて客観的に見られていたら、


そう思えたのかもしれない。


でもそれは今だから言えることで


その時の私にはできなかった。


親といえども心は揺れる。


その揺れ方が子供と同じなら子供と衝突はしないが


間違えるときは一緒に大きくぶれて修正がきかない。


揺れ方が子供と違えば子供と衝突し、


やはり意見がまとまらず結局先に進めない。


冷静な第三者の客観的な意見は


非常に有り難いものだと心底思った。


つまらないことに拘っていた私は、


きっと屈指のオニ母であっただろう。


しかし子育ての仕上げである。


なんと言われようと思われようと、


納得できて結果を出せたことは喜びである。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子