結婚相談所物語

誤 算(後編)

世代が同じだから自然に話せるからなのか?


キラキラ感はない代わりにこちらも身構えなくていいからなのか?


しばらく付き合うことにした。


そんな気になった女性は初めてだ。


付き合ってみるとやっぱり楽だ。


そうこうしているうちに週末は大抵彼女と会うようになった。


日曜日も解禁になったのね、


と担当者は笑いながら言った。


そうか、


こうやって結婚相手に辿り着くもんなんだ。


そして彼女を紹介された時から僕の心は


とうにお見通しだったということなんだ。


なんだか不思議な気がした。



担当者は、でも誤算だったわ、と言った。


あなたのような男性はまず若い人を望むのよ、


だって条件いいから充分お会いできる。


でもあなたはそうじゃなかった、誤算だったわ。


相手の彼女はね、求める条件が厳しくて、


他でいろいろと十年も婚活してきたそうよ。


それがここであなたに会えたでしょ。


本当に二人ともタイミングよかったのかしら?


それとも私のサポート?(笑)




ところで一番喜んだのはお袋かもしれない。


僕に嫁さんが見つかる、僕は家を出る、のんびり悠々自適。


とまあこういうことで、とにかくよかった。


親孝行になったなら、それは本当によかった。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子