結婚相談所物語

誤 算(中編)

だけどそれは本当だった。


お相手選びとやらはよくわからないのですべて担当者に任せた。


僕はいついつどこへと言われた通りに行くだけだ。


すると若くて綺麗な女性に会える。


女性は嬉しそうな表情を僕に向けてくれる。


仕事先の女性なんか微笑んでくれるのは


受付嬢ぐらいなもんだから新鮮でいい。


しかし、疲れた。


一生懸命共通の話題を探して慣れない会話をしているからなのか。


綺麗どころがあまりにも眩しくて柄にもなく緊張するからなのか。


とにかく日曜日なんぞにこれがあると


言いようのない疲労感を翌日まで引きずるのだから情けなくなる。


でも仕方がない。


それでお見合いは土曜日にしてください、


と担当者に頼んだ。




「あなたと一つしか違わないからそこそこの年齢の女性だけど、


どうしても会わせて欲しいって言うから。いい?」


ある日担当者に尋ねられた。


土曜日ならいい、


と答えて先方の写真を見る。


あ、なるほど今度は普通。


キラキラ輝いた特別の美人でもない。


僕も随分お見合いに慣れたのかも。


なんて思いながら会ってみると、


見た目の普通以上に会話も普通。


だから疲れなかった。


あれ?


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子