結婚相談所物語

母の想い~PART3

そんなある日、


相変わらず僕に対する態度は威丈高だけど、


1人でテレビを見ている親父の後ろ姿が寂しげに感じられた。


少し丸くなった背中を見ながら、


僕はお袋や姉貴たちから愛情一杯もらったよなぁ、


だけど僕はもらった分を抱えたままだよなぁ、


とぼんやり思った。


丁度その頃、


紹介してもらった彼女はちょっと違った。


夜勤があることを話しても、


体調は崩れませんか?とか、


姉貴が3人もいると言っても、


華やかでいいですねとか、


お袋が死んでしまったと伝えても、


お父様は寂しくないですか、とか。


ごく普通だけど気持ちが緩くなる。


そういう時はなぜか親父の背中が頭に浮かぶ。


そして一杯もらって抱え込んだままの愛情。


一杯過ぎてポロポロ溢れ出している。


きっとこれをどこかに放出しないと僕は新しい愛情を容れられないんだ、


と気がついた。


だけど僕はやっぱり不器用で、


ソファーでのんびりしていた分、


人より交際進行が遅くって、


誰かに愛情を注ごうとしても時間がかかってしまう。


ああ、また何か理由をつけて彼女に断られる!


でも仕方ないか、


とは今度は思わなかった。


それはごめんだ、時間が欲しい、


と本気で思った。


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大阪(事務局) マリッジコンサルタント 山名