結婚相談所物語

私の場合

私が生まれた時、彼は17歳。


彼が成人した時には私はまだ3歳、ということだ。


20歳の青年と3つの幼子では


随分年が離れて随分違う。


そして、成人してから私13年、彼30年。


でも、大人になってからの年数なんて


比べることに意味があるかしら?



年が離れている彼?


いや違う違う。


この人!と思えた男性が、


たまたま年が17歳離れていただけのこと。


それは単なる事実。意図はない。



子持ちの彼?


それも違う違う。


この人!と思った男性が、


たまたま奥さんに先立たれていただけのこと。


それも単なる結果。意味はない。



色々婚活してきた。


誰とでもいい、というわけではないからこその積極的婚活。


なるべく早く。


暮らしも心も豊かな人と。


決して贅沢を望んでいるわけではないけど、


経済的なゆとりが豊かな暮らしにつながり


心に余裕が生まれる・・・。


そう思ったから。



だけど巡った結婚相談所の大半は、


私が初婚で若いのだからという頭で相手を選んで紹介してくる。


だけどそれは当然。


でもなかなかいい出会いは見つからない。


性急に答えを求めてくる人、


毎回表情を変えてつかみどころのない人、


思い込みの激しい人。


随分不快な思いもした。


豊かさのかけらもないと嘆息する。


でも紹介してもらったからには、


なぜその人を受け入れらないのか、


自己分析も兼ねて明確に伝えるようにする。



時が流れ、焦った。



もう一度だけリセットしてみよう。


そう思って訪ねたサロン。


豊かな人と早く結婚したい、と言い慣れた私の希望。


そうして彼と巡り会い1ヶ月半・・・。


結婚を決めた。


そんな年上の人と?


大学生の娘と高校生の息子がいるのに?


あなた若くて初婚なのに何もいきなりそうでなくても・・・友でさえそう言った。


担当者もまた相応な年齢の人とも会ってみるように薦めてきた。


年上じゃいけないの?


無理して娘と息子と思わなくてもいいんじゃない?


家族というだけではいけない?


とはいちいち反論しなかった。


ただ、私の求めた豊かな人が彼だっただけのこと。


心でそう呟いた。



亡くなった奥さんのことは一つの事実と時代。


これからの私とのこともまた別の事実と時代。


でも意味のない偶然はないから、


彼と子供達にはどちらも大切にして欲しい。


やっていける、と私は思う。


彼は夫として、その豊かさで私を包み込んでくれるだろう。


私はその心地よさに感謝して、


夫と子供達を家族として愛するだろう。



私が求めていた結婚は・・・。


私が満足しているところで障害は・・・


何もない。


マリッジ・コンサルタント 山名 友子