結婚相談所物語

女医さんの結婚(後編)

気まずい空白の時間が流れます。


「すれ違いはどのカップルにもあること。


気持ちがあるのなら、あなた、できるだけ彼女のところへ行ってあげて。


言葉は要らないからとにかく彼女のところへ行って!」


彼にアドバイスしたのはこのことだけでした。


彼は診察の後、彼女のもとへ通いました。


アドバイスを素直に受け止めて、しかも毎日毎日。


診察後の疲労を何よりもよく知っている彼女です。


彼の誠意に触れて頑なになっていた気持ちが融けるのに、


そう時間はかかりませんでした。




人の命か人生か、


お預かりするものはそれぞれ違いますが、


"時間との闘い"はドクター共通の課題です。


なかなか自分では満点を付けられない反省しきりの毎日ですが、


この時ばかりは満足できるお世話であったと、


お二人に感謝しています。


数年が経ちます。


相変わらずお忙しいながら、


理解し支えてくれる伴侶を得て充実された毎日と思います。


保育所への送り迎えもされているでしょうか?


私自身、日々いろいろな"症状"に遭遇しております。


それでも切磋琢磨し、


信頼を寄せられる『マリッジ・ドクター』を目指して、


これからも精進してまいります。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子